ノートルダム大聖堂
名称: La Cathédrale Notre-Dame de Paris
ノートルダム・ド・パリ大聖堂
パリの中心地シテ島に立つ大聖堂。古来よりこの地に神殿が存在していたが、12世紀になってフランスの中心にふさわしい大聖堂として建てられたのが、現在のノートルダム大聖堂。建造開始は1163年、完成は1250年。北塔の高さは63mに及ぶ。
「ノートルダム Notre-Dame」とは「我らの女性」つまり聖母マリアをさし、この名のつく聖堂はフランス各地にたくさん存在する。「ノートルダム・ド・パリ」で「パリのノートルダム」、つまりシテ島のノートルダム大聖堂を指す。
1789年に始まったフランス革命で襲撃を受け、大聖堂を飾っていた歴代の王の彫像等が破壊されたが、ヴィオレ・ル・デュック Viollet-le-Duc により1843年に修復されている。 1804年のナポレオン1世の戴冠式はここで行われた。現在もパリ大司教座聖堂であり、ユネスコの世界遺産にも登録されている。
2013年、建造開始850周年を記念して、大鐘が新しく制作され、つけかえられた。バラ窓のステンドグラスの美しさは世界屈指。たくさんの聖人の彫刻は圧巻。
ヴィクトル・ユゴーの原作小説
作品名： Notre-Dame de Paris
ノートルダム・ド・パリ
原作者： Victor Hugo
ヴィクトル・ユゴー (1802-1885)
発表： 1831年
この作品の正式な原題は、「Notre-Dame de Paris - 1482（ノートルダム・ド・パリ - 1482年）」、一般的には「ノートルダム・ド・パリ」であり、よく「邦題」などと言われる「ノートルダムのせむし男」は英語版（The
Hunchback of Notre-Dame）からの日本語訳。
この作品はフランスのロマン派の文豪ユゴーの最初の傑作小説。ユゴーはストーリーを語るだけではなく、大聖堂そのものを細かに描写し、当時フランス革命のために多くの彫像などが破壊されていた大聖堂の修復運動に大きく寄与した。
ユゴーは出版社とのトラブルから、ほぼ4ヶ月半でこの作品を書き上げている。1930年7月25日にこの小説を書き始め、翌年1月15日に完成、3月16日初版出版。その後の「レ・ミゼラブル」が、長さの違いはあるものの17年もかかって書き上げられたのとは対照的。
作品発表の翌年1832年にさらに３つの章が加えられ完全版となったが、書き足したのではなく、初版時にその章の原稿を紛失してしまっていたのが理由。
フレンチ・ミュージカル作品
作品名：Notre-Dame de Paris
ノートルダム・ド・パリ
作詞：Luc Plamondon
リュック・プラモンドン
作曲：Richard Cocciante
リシャール・コッシアンテ
初演：1998年9月16日
パレ・デ・コングレ（パリ）
フランスでミュージカルの扉を開いたフレンチ・ミュージカルの記念碑的作品。
「スターマニア」で成功を収めたプラモンドンが次の作品として探していた1993年に見つけたのが、ユゴーの「ノートルダム・ド・パリ」である。選択の理由の一つとして、プラモンドンは「誰でも知っている説明不要な物語」であることをあげている。
一方作曲者のリシャール・コッシアンテは、自分のＣＤには入れるつもりのない曲をたまたまプラモンドンに聞かせたが、それが後に「Danse mon
Esmeralda」「Belle」「Le temps des cathedrales」となる、まさにミュージカルの核となる曲だった。
しかし、「ミュージカル不毛の地」とまで言われたフランス。プラモンドンが「スターマニア」も上演したパリのモガドール劇場に「ノートルダム」の話を持ち込んだところ、「ユゴー物はダメ」と断られている。二人で共に創作を続けて３年、プロデューサーCharles
Talarと出会う。曲を聞いた翌日には、プロデューサーはパリのパレ・デ・コングレ(約4000席）を予約した。
こうして1998年9月16日パリで初演されて大ヒットし、フレンチ・ミュージカルの歴史を塗り替えることとなる。その後フランスはもとより、ベルギー、スイス、カナダ（ケベック）などのフランス語圏のみならず、ロンドン、ラスベガス、オランダ、スペイン、イタリア、ロシアなどのヨーロッパ、トルコ・レバノン・中国・韓国・台湾・シンガポールなど世界各地で上演されている。2013年には英語版ながら日本でも上演された。
2016年11月フランスでの凱旋公演では、オリジナル・フロロのダニエル・ラヴォワが15年以上ぶりに本公演に参加するのもメディアの関心を呼んでいる。
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